特集 自己免疫性膵炎(AIP)
8 .IgG4 関連硬化性胆管炎と原発性硬化性胆管炎の鑑別
内藤 格
1
,
大原 弘隆
2
,
中沢 貴宏
3
,
清水 周哉
3
,
林 香月
1
,
城 卓志
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学
2名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学 地域医療教育学
3名古屋第二赤十字病院消化器内科
キーワード:
IgG4 関連硬化性胆管炎
,
原発性硬化性胆管炎
,
1 型自己免疫性膵炎
,
胆管像
,
胆管管腔内超音波
Keyword:
IgG4 関連硬化性胆管炎
,
原発性硬化性胆管炎
,
1 型自己免疫性膵炎
,
胆管像
,
胆管管腔内超音波
pp.203-210
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000230
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IgG4 関連硬化性胆管炎(IgG4‒SC)は,血中IgG4 値の上昇,病変局所の線維化とIgG4 陽性形質細胞浸潤を特徴とし,ステロイド治療が奏効する原因不明の硬化性胆管炎である.本邦においても「IgG4 関連硬化性胆管炎臨床診断基準2012」が提唱され,IgG4‒SC の疾患概念は定着しつつある.一方,原発性硬化性胆管炎(PSC)は,肝内外の胆管の線維性狭窄を生じる進行性の慢性炎症性疾患であり,根本的な治療法は存在せず,肝移植のみが唯一の治療法である.両疾患は,治療法,予後も異なることから適切な鑑別診断が重要であり,血中IgG4 値,内視鏡的逆行性胆管膵管造影,胆管管腔内超音波,胆管外病変としてのIgG4 関連疾患や炎症性腸疾患,肝生検が両者の鑑別に有用である.多くの症例においてIgG4‒SC とPSC の鑑別は可能になりつつあるが,膵病変を伴わないIgG4‒SC 単独症例とPSC 症例の鑑別は時に困難である.
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