特集 内視鏡検診の実態と今後の課題
12.内視鏡介入型の対策型大腸がん検診に向けた今後の課題
松田 尚久
1
,
関口 正宇
1
,
中村 佳子
2
,
角川 康夫
2
,
斎藤 豊
2
,
田尻 久雄
4
1国立がん研究センター中央病院検診センター、同 内視鏡科、国立がん研究センター社会と健康研究センター検診開発研究部
2国立がん研究センター中央病院検診センター、同 内視鏡科
4東京慈恵会医科大学先進内視鏡治療研究講座
キーワード:
大腸癌
,
対策型検診
,
全大腸内視鏡検査
,
内視鏡専門医
,
標準化死亡比(SMR)
Keyword:
大腸癌
,
対策型検診
,
全大腸内視鏡検査
,
内視鏡専門医
,
標準化死亡比(SMR)
pp.1617-1626
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000151
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日本における大腸癌罹患者数は増加の一途を辿っており,年間5 万人以上が命を落としている現状にあるが,米国では,従来の便潜血検査に加えてS 状結腸鏡や大腸内視鏡を取り入れた大腸がん検診システムの構築により,大腸癌死亡率は低減を続けている.日本では,1992 年より免疫学的便潜血検査による対策型検診を行っているが,今後,全大腸内視鏡(TCS)を取り入れた新しい検診プログラムの策定が期待される.都道府県別に見た消化器内視鏡専門医数と大腸癌の標準化死亡比(SMR)との検討から,専門医数の多い県では大腸癌SMR は低く,少ない県では高い傾向にあることが示されたが,いかに効率よく対策型検診のなかにTCS を組み入れるかの議論が必要である.
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