特集 内視鏡検診の実態と今後の課題
7 .大腸がん検診の現状(FIT 検診,地域格差)
野崎 良一
1
,
原 敬行
2
,
椎葉 保樹
2
,
黒田 浩敬
2
,
山田 一隆
3
1大腸肛門病センター高野病院消化器内科
2同 総合健診センター
3同 消化器外科
キーワード:
便潜血検査
,
大腸がん検診受診率
,
大腸癌死亡率
,
有効性
,
精度管理
Keyword:
便潜血検査
,
大腸がん検診受診率
,
大腸癌死亡率
,
有効性
,
精度管理
pp.1579-1588
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000146
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わが国の大腸癌罹患数は臓器別で2015 年から1 位となり,死亡数も2 位で今後も増加が予測される.その対策として,「がん対策推進基本計画」(2012 年見直し)では大腸がん検診受診率を5 年以内に50%(当面40%)を達成することを目標としている.わが国では大腸がん検診として便潜血検査免疫法(FIT)2 日法が用いられている.FIT 2 日法による検診受診率は35.4%で,未だ目標値は達成されていない.欧米に比べてはるかに低い状況にある.検診受診率には都道府県,地方で地域格差がある.東北地方は概してほかの地方より検診受診率が高い.わが国の低い検診受診率と精検受診率(66.0%)では,欧米のような大腸癌死亡率減少に結びつく水準に至っていないのが現状である.
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