特集 CT colonography 2019―今日までの進歩と現状,そして大腸がん検診への展開
5 .CT colonography の有用性を巡って(3)検診受診率向上の観点から
野崎 良一
1
,
有馬 浩美
2
,
松本 徹也
2
,
前崎 孝之
2
,
伊牟田 秀隆
2
,
山田 一隆
3
1大腸肛門病センター高野病院消化器内科
2大腸肛門病センター高野病院放射線科
3大腸肛門病センター高野病院消化器外科
キーワード:
CT colonography
,
大腸内視鏡検査
,
大腸がん検診受診率
,
精検受診率
Keyword:
CT colonography
,
大腸内視鏡検査
,
大腸がん検診受診率
,
精検受診率
pp.295-303
発行日 2019年2月20日
Published Date 2019/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000681
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わが国は,大腸がん検診の検診受診率50%を,精検受診率は許容値70%以上(目標値90%以上)を達成することを目標としているが,未だ達成には至っていない.最近,精密検査の手法として,全大腸内視鏡検査(TCS)で行うことが困難な場合は,CT colonography( CTC)あるいは,S状結腸内視鏡検査と注腸X線検査の併用法のいずれかを実施することが提言された.精検法としてCTC の本格的導入の機運が年々高くなってきている.CTC には精検受診率を向上させるキャパシティが十分にあり,診断精度はTCS と比べて遜色がなく,苦痛が少なく,安全性が高く,受診者の受容性も良好であることから受診率向上への寄与が期待できる.検診受診率に関しては,便潜血検査免疫法による検診に加えて,画像診断法としてTCS と同様にCTC が検診項目に加えられるようになれば受診率50%達成の推進力となる可能性がある.
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