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特集 科学的根拠に基づくがん検診UPDATE 2025
子宮頸がん検診
-――子宮頸部細胞診単独法とHPV検査単独法
Cervical cancer screening
――Cytology-based screening and HPV primary screening
森定 徹
1
,
青木 大輔
2,3
Tohru MORISADA
1
,
Daisuke AOKI
2,3
1杏林大学医学部 産科婦人科学教室
2国際医療福祉大学大学院
3赤坂山王メディカルセンター
キーワード:
子宮頸がん検診
,
子宮頸部細胞診
,
HPV検査
,
有効性
,
精度管理
Keyword:
子宮頸がん検診
,
子宮頸部細胞診
,
HPV検査
,
有効性
,
精度管理
pp.978-984
発行日 2025年3月22日
Published Date 2025/3/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292120978
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子宮頸がん検診は,健康増進法に基づいて市町村が実施する,いわゆる対策型検診のひとつとなっている.子宮頸部細胞診による子宮頸がん検診は,有効性として死亡率減少効果が認められるがん検診として広く実施されている.一方,子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の核酸を検出するHPV検査も,細胞診と比較する形で,浸潤がん罹患率減少を指標とした有効性が確認され,2024年4月から30~60歳に対して,5年に1回のHPV検査単独法による子宮頸がん検診が実施できるようになった.しかし,検診の結果に応じて次に行う検診や精密検査の時期と方法が異なること,いままでの検診にはない追跡精検が設定されるなど,そのアルゴリズムは複雑であり,いままで以上に精緻な精度管理が求められることから,「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」のなかに,実施にあたって満たすべき要件が示されている.これまでわが国にはHPV検査単独法の経験がないことから,導入したとしても,十分な精度管理(検診実施機関の運営,アルゴリズムの遵守など)のもとで実施できるかなどについて評価するためのパイロット事業と位置づけるべきである.

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