特集 ピロリ菌陰性者にみられる胃疾患の診かた― 胃癌を中心に
1 .H. pylori 陰性者の時代的変遷と疫学
塩田 星児
1
,
村上 和成
2
1大分市医師会立アルメイダ病院総合診療科
2大分大学医学部消化器内科学講座
キーワード:
H. pylori
,
陰性
,
未感染者
,
既感染者
Keyword:
H. pylori
,
陰性
,
未感染者
,
既感染者
pp.1431-1433
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000121
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H. pylori 陰性者は未感染者と過去の感染者(既感染者)を含む.日本では衛生状態の改善に伴いH. pylori 感染率は徐々に低下し,未感染者が増加している.とくに小児の感染率は低く,今後もH. pylori 感染率はさらに低下することが予想される.感染経路については環境からの感染や家族内感染(とくに母子感染)が示唆されている.2013 年2 月にはH. pylori 感染胃炎に対する除菌治療が保険適用となり,多くのH. pylori 感染者が除菌治療の恩恵を受けることが可能となった.今後は,未感染者に加え除菌治療後のH. pylori 陰性者(既感染者)も増加することが予想される.
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