特集 透析患者の糖尿病治療
3.透析患者における糖尿病の診断と血糖値の評価
豊田 雅夫
1
1東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科学
キーワード:
ヘモグロビンA1c(HbA1c)
,
グリコアルブミン(GA)
,
持続血糖測定(CGM)
,
透析起因性低血糖
,
透析関連高血糖
Keyword:
ヘモグロビンA1c(HbA1c)
,
グリコアルブミン(GA)
,
持続血糖測定(CGM)
,
透析起因性低血糖
,
透析関連高血糖
pp.18-24
発行日 2025年1月10日
Published Date 2025/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003274
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透析患者における糖尿病診断は,HbA1c値が赤血球寿命や腎性貧血などの影響で偽性低値を示すため,血糖値(空腹時血糖値,随時血糖値,75g経口糖負荷試験)を組み合わせて診断を行う必要がある.血糖コントロール指標としては,HbA1c値に比べ生命予後の予測にも優れるグリコアルブミン(GA)値が推奨される.さらに,詳細な血糖変動の把握には持続血糖測定(CGM)が有用であるが,診療報酬の要件などの課題が存在する.そのため透析前血糖値や透析終了時血糖値の測定が重要であり,とくに透析終了時血糖値90 mg/dL未満は透析起因性低血糖のハイリスクと判断される.透析患者では低血糖や高血糖のリスクに配慮した個別の対応が求められる.
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