3．血糖管理の指標

糖尿病性腎症を原疾患とする慢性透析患者の割合は高く，透析医療において糖尿病管理は重要である．血糖管理は，糖尿病の合併症である網膜症・神経障害などの細小血管症の進展抑制，大血管症や感染症などの合併症対策として重要であり，糖尿病関連の検査は定期的に施行する必要がある．通常の糖尿病診療においては血糖コントロールを評価する指標として，グリコヘモグロビン（HbA1c）値が用いられているが，透析患者では赤血球寿命の短縮や，赤血球造血因子刺激製剤により幼若赤血球の割合が増加するため，HbA1c値は実際の平均血糖値より低値となる．そのため，透析患者の血糖コントロールの指標としては，透析開始前の随時血糖値とグリコアルブミン（GA）値が推奨されている．