特集 患者の将来を見据えた実践的糖尿病診療―脱 “血糖屋さん” のススメ
[Chapter 1] 血糖値だけではない糖尿病治療の目標と実践
血糖値だけではない糖尿病患者の薬物療法
中村 昭伸
1
1北海道大学大学院 医学研究院免疫・代謝内科学教室
キーワード:
血糖降下薬
,
心血管疾患
,
心不全
,
慢性腎臓病
,
脂肪性肝疾患
Keyword:
血糖降下薬
,
心血管疾患
,
心不全
,
慢性腎臓病
,
脂肪性肝疾患
pp.1094-1099
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_1094
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
▪糖尿病の薬物療法では,現在さまざまな血糖降下薬があり,病態に応じた薬剤選択を基本としている.
▪治療の目標を「いかに合併症や併存疾患の発症・進展を予防するか」と考えた場合,各臓器の安全性に加えて,その臓器の機能低下を防ぐ作用をもつ血糖降下薬を選択することが重要となる.
▪とくにSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬は,心血管疾患,心不全,慢性腎臓病,脂肪性肝疾患の発症や進展を抑制する効果を有することが多くの臨床試験で示されつつあり,「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」においても,additional benefitsを考慮すべき併存疾患として明記されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2024