特集 透析室でかかわるアフェレシス
12.カルシフィラキシス
佐藤 元美
1
1新城市民病院腎臓内科・人工透析センター
キーワード:
カルシフィラキシス
,
難治性皮膚潰瘍
,
微小循環障害
,
低比重リポ蛋白アフェレシス
Keyword:
カルシフィラキシス
,
難治性皮膚潰瘍
,
微小循環障害
,
低比重リポ蛋白アフェレシス
pp.1663-1668
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003243
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カルシフィラキシスは,おもに透析患者に発症する,きわめて強い痛みを伴う難治性・多発性の皮膚潰瘍を主病巣とする疾患である.小動脈での中膜石灰化や微小血栓などが特徴的で,危険因子としてワルファリン服用やカルシウム・リン代謝異常が指摘されているが,原因は未だ不明である.治療では,危険因子の是正に加え,壊死組織の外科的切除やチオ硫酸ナトリウム投与などが行われるが,確立したものはない.そのなかで,微小循環障害の著明な改善効果や抗炎症・抗酸化作用など多面的な臨床効果を有する低比重リポ蛋白(LDL)アフェレシス治療の有用性は高いと推察され,いくつかの症例報告で有効性が示されている.今後,本治療の疾患の病態解明とともに診断・治療指針の作成が期待されるが,それとともに,多施設における本治療の検証や検討も必要である.
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