Japanese
English
症例
チオ硫酸ナトリウムによる治療を行ったカルシフィラキシスの1例
Calciphylaxis treated with sodium thiosulfate
松澤 惇
1
,
吉崎 仁胤
2
,
村田 洋三
2
Jun MATSUZAWA
1
,
Yoshitsugu YOSHIZAKI
2
,
Yozo MURATA
2
1国立病院機構神戸医療センター,皮膚科
2兵庫県立淡路医療センター,皮膚科(主任:吉崎仁胤部長)
キーワード:
カルシフィラキシス
,
チオ硫酸ナトリウム
,
下腿潰瘍
Keyword:
カルシフィラキシス
,
チオ硫酸ナトリウム
,
下腿潰瘍
pp.1687-1690
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004865
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
49歳,男性。糖尿病性腎症で12年以上血液透析を受けている。初診約1カ月前より右下腿に潰瘍が出現し,近医で外用治療を施行されたが改善しないため当科を受診した。皮膚灌流圧の低下はなく,静脈超音波画像でも静脈瘤・血栓の所見は認めず,皮膚生検で脂肪組織レベルの小血管壁を中心に石灰化を認めたため,カルシフィラキシスと診断した。チオ硫酸ナトリウムの投与を開始し,徐々に潰瘍は縮小,チオ硫酸ナトリウム投与開始後3年4カ月ですべての潰瘍は上皮化した。カルシフィラキシスは難治性潰瘍を伴う致死率の高い疾患であるが,未だ確立された治療法はない。今後,チオ硫酸ナトリウムが有効な治療法のひとつとして期待される。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.