特集 透析室でかかわるアフェレシス
13.血管石灰化に対する基礎研究
黒尾 誠
1
1自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部
キーワード:
カルシプロテイン粒子
,
リン酸カルシウム
,
尿毒症性細小動脈石灰化症
Keyword:
カルシプロテイン粒子
,
リン酸カルシウム
,
尿毒症性細小動脈石灰化症
pp.1669-1674
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003244
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
動脈硬化には粥状硬化と血管石灰化という二つの異なる病態がある.粥状硬化は脂質のコロイド粒子であるリポ蛋白が血管に沈着する病態である.血管石灰化は平滑筋細胞の骨芽細胞様形質変換によって血管にリン酸カルシウムが沈着する病態だが,その過程には不明な点も多い.しかし最近,血中に分散するリン酸カルシウムのコロイド粒子calciprotein particles(CPP)が血管石灰化の原因物質として注目されている.すなわち,動脈硬化の二つの異なる病態は,不溶性物質(脂質とリン酸カルシウム)のコロイド粒子(CPPとリポ蛋白)が血管に沈着する病態として止揚される.
Copyright © 2024, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.