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特集 代謝異常症・沈着症
糖尿病性慢性腎臓病患者に発症した陰茎壊死を伴ったカルシフィラキシスの1例
Calciphylaxis with Penile Necrosis in a Patient with Diabetic Chronic Kidney Disease
木下 侑里
1
,
山瀬 綾
2
,
澤谷 倫史
3
,
幸野 健
1
,
佐伯 秀久
2
Yuri KINOSHITA
1
,
Aya YAMASE
2
,
Tomofumi SAWATANI
3
,
Takeshi KONO
1
,
Hidehisa SAEKI
2
1日本医科大学千葉北総病院,皮膚科(主任:幸野 健部長)
2日本医科大学,皮膚科
3日本医科大学千葉北総病院,内科
キーワード:
カルシフィラキシス
,
糖尿病
,
慢性腎臓病
,
陰茎壊死
Keyword:
カルシフィラキシス
,
糖尿病
,
慢性腎臓病
,
陰茎壊死
pp.1333-1336
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000910
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70歳,男性。既往に糖尿病性腎臓病があった。左手の冷感と疼痛が出現し,精査加療のため当院循環器内科に入院した。左手指尖に潰瘍と暗紫色斑が出現し,外用加療するも,示指~環指の壊死が進行した。その後疼痛が強く,手指を切断した。皮膚症状はさらに悪化し,足趾・陰茎部壊死,陰囊部潰瘍も出現した。切断部位の病理,Ca・P積高値,X線で血管石灰化が著明であり,カルシフィラキシスと診断した。チオ硫酸ナトリウム投与,透析導入となったが,全身状態が悪化し死亡した。自験例ではカルシフィラキシスに陰茎壊死を伴っていた。本疾患の認知度は高くなく,臨床診断に苦慮すると考えられる。現在有効な治療法は確立されていない。カルシフィラキシスの一症状として,陰茎壊死がおこりうることを認識し,疑わしい症例では積極的に本症を考える必要がある。今後疾患の認知度の上昇を期待したい。
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