特集 透析患者の心不全パンデミックに立ち向かう
7.心房細動に対する薬物療法
松木 孝樹
1
,
田邊 康子
1
,
中川 直樹
1
1旭川医科大学内科学講座循環器・腎臓内科学分野
キーワード:
心房細動
,
ワルファリン
,
直接経口抗凝固薬
Keyword:
心房細動
,
ワルファリン
,
直接経口抗凝固薬
pp.505-511
発行日 2024年5月10日
Published Date 2024/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002978
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本邦においては透析患者が増加傾向にあるが,平均年齢および導入時平均年齢ともに70歳を超え高齢化している.心血管合併症を併存している患者も多く,心房細動の有病率も一般人口と比較して高い.さらに血液透析では除水に伴い透析後半の発作性心房細動がしばしば経験され,透析困難症の一因となる.透析患者においては使用できる抗不整脈薬が限られていること,カテーテルアブレーション治療の有効性が非透析患者ほど確立していないことから,心房細動管理に難渋するケースが多い.また抗凝固療法においても否定的な報告が多く,本邦では推奨されていない.明確な管理指針が整備されておらず,症例ごとに治療方針を検討する必要がある.
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