特集 抗血栓療法の最近の動向
新規経口抗凝固薬による非弁膜症性心房細動の脳塞栓予防
是恒 之宏
1
1国立病院機構大阪医療センター臨床研究センター長
キーワード:
ワルファリン
,
心原性脳塞栓症
,
心房細動
,
新規経口抗凝固薬
Keyword:
ワルファリン
,
心原性脳塞栓症
,
心房細動
,
新規経口抗凝固薬
pp.43-47
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.05_0043-0047
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「はじめに」心原性脳塞栓は脳梗塞のなかでも最も重症度が高く,退院時転帰の6割は死亡,寝たきり,補助無しでは歩けない,のいずれかである。心房細動は70歳を超えるとその有病率が急激に増加することから,その予後を規定する心原性脳塞栓を予防することはねたきり老人を減少させる意味において最重要課題といえる。脳梗塞の原因となる心房内血栓は,静脈血栓と同様フィブリンに富んだ血栓と考えられ,臨床的エビデンスからもその予防に抗血小板薬よりも抗凝固薬が有効であることが示されている。最近ワルファリンに代わる新しい経口抗凝固薬が開発され,心房細動を対象とした新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulants;NOAC)も多剤選択の時代を迎えた。2011年3月には経口直接トロンビン阻害薬ダビガトランがNOACとしてはじめて発売された。それに続いて2012年4月には経口Ⅹa因子阻害薬リバーロキサバン,2013年2月にはアピキサバン,そして2014年12月にはエドキサバンが発売された。ただいずれのNOACも非弁膜症性心房細動を対象としたものであり,弁膜症性心房細動や機械弁などへの適応は取得していない。「KEY WORDS」ワルファリン,心原性脳塞栓症,心房細動,新規経口抗凝固薬
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