特集 看過してはならない不整脈
8.心房細動に対しては,抗凝固薬を使ってはいけないのですか?
鶴屋 和彦
1
1奈良県立医科大学腎臓内科学
キーワード:
心房細動
,
脳卒中
,
直接的経口抗凝固薬
,
ワルファリン
Keyword:
心房細動
,
脳卒中
,
直接的経口抗凝固薬
,
ワルファリン
pp.563-571
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001740
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心房細動を有する血液透析患者において,ワルファリンによる抗凝固療法の有効性と安全性に関する観察研究がこれまでに数多く行われてきたが,その是非については未だに結論が出ていない.ほとんどの研究において,ワルファリンによる出血リスクの有意な上昇が認められているが,血栓塞栓症の予防効果については報告によって結果が異なり,国内外のガイドラインにおいて積極的なワルファリン投与は推奨されていない.一方,わが国では禁忌とされているが,海外では透析患者に直接的経口抗凝固薬(DOAC)が投与され,その有用性が報告されている.現在,無作為化比較試験でDOACとワルファリンの比較が行われており,その結果が待たれる.
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