特集 透析患者の脳血管障害
4.心房細動例に対する抗凝固療法
鶴屋 和彦
1
1奈良県立医科大学腎臓内科学
キーワード:
心房細動
,
ワルファリン
,
DOAC
,
アピキサバン
,
リバーロキサバン
Keyword:
心房細動
,
ワルファリン
,
DOAC
,
アピキサバン
,
リバーロキサバン
pp.567-574
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001289
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透析患者では,心房細動例におけるワルファリンの血栓塞栓症予防効果が明らかではなく,出血リスクは明らかに上昇するため,心房細動例に対するルーチン投与は推奨されていない.直接経口抗凝固薬(DOAC)は,保存期慢性腎臓病において出血リスクを低減し,血栓塞栓症リスクがワルファリンと同等であることより,その有用性が明らかにされている.しかし,透析患者では禁忌とされており,わが国では使用できない.一方,米国では透析患者にもDOAC が投与されており,ワルファリンよりも出血リスクが低いことが報告されている.ワルファリンによる血管石灰化の進展も懸念されるため,現在行われている透析患者におけるDOAC(vs. ワルファリン)の無作為化比較試験の結果が期待される.
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