特集 透析患者の心不全パンデミックに立ち向かう
8.心房細動に対する経皮的左心耳閉鎖術(WATCHMANTM)
原 英彦
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1東邦大学医療センター大橋病院循環器内科
キーワード:
心房細動
,
左心耳閉鎖
,
脳梗塞
,
出血リスク
Keyword:
心房細動
,
左心耳閉鎖
,
脳梗塞
,
出血リスク
pp.512-516
発行日 2024年5月10日
Published Date 2024/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002979
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心房細動患者に対する脳梗塞予防には全身抗凝固療法が標準的に用いられているが,透析患者では原則的に経口抗凝固薬を用いることが難しい.一方で,現在ではカテーテルを用いた局所治療:経皮的左心耳閉鎖術を行うことによって血栓のできる部位を閉鎖し脳梗塞を予防できる時代に入っている.本邦ではWATCHMANTMデバイス(Boston Scientific,US)が承認され透析患者にも適用されつつあるが,CHA2DS2-VAScスコア2点以上の塞栓リスクをもつ非弁膜症性心房細動患者で出血リスクの高いコホートに植え込みを行うことになっている.術後慢性期には抗凝固療法は中止可能となり,血液浄化療法の際の穿刺や止血時の出血トラブルを含む臨床上重要な出血イベントや心原性脳梗塞リスクから解放されうる治療である.
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