特集 透析患者の心不全パンデミックに立ち向かう
6.慢性心不全に対する薬物治療
佐藤 大
1
,
渋谷 祐子
1
1NTT東日本関東病院高血圧・腎臓内科
キーワード:
ARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)
,
4剤併用療法
,
HFrEF
,
β遮断薬
,
HCN4阻害薬
,
経口昇圧薬
Keyword:
ARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)
,
4剤併用療法
,
HFrEF
,
β遮断薬
,
HCN4阻害薬
,
経口昇圧薬
pp.496-504
発行日 2024年5月10日
Published Date 2024/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002977
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慢性心不全は心臓の機能障害により呼吸困難や浮腫などの症状が現れる疾患である.透析患者における死因の上位を占め,その管理はとくに重要である.左室駆出率に基づく分類で治療戦略が異なる.とくにHFrEFに対する薬物治療は,大きく進歩し,ARNIの登場により治療戦略が変化してきた.心不全入院や心血管複合イベント,死亡率において,ARNIを含む4剤併用療法が優れていることが示され,これらの薬剤を組み合わせた治療戦略が提唱されている.透析患者においてこの治療戦略をどう適用するかについては検討が必要な段階である.本稿では他剤も含めた慢性心不全についての薬物治療について記した.また透析中の血圧低下に対する薬物投与については,やむをえず低血圧症に対する薬剤を使用することもあるが,使用に際して配慮が必要である.
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