特集 保存的腎臓療法(CKM)
4.高齢腎不全患者のQOLと諸症状
天野 博明
1
,
岡田 浩一
1
1埼玉医科大学腎臓内科
キーワード:
高齢腎不全患者
,
QOL
,
高齢者総合機能評価(CGA)
Keyword:
高齢腎不全患者
,
QOL
,
高齢者総合機能評価(CGA)
pp.601-605
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002576
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
後期高齢者が罹患する老年症候群は生理的老化と病的老化があり,この二者の鑑別は医療者が病態の評価・介入を行ううえで重要な視点である.加齢は腎臓において腎硬化症によるeGFRの低下をもたらす.腎臓領域において生理的老化を逸脱した病的な腎機能の低下を早期に見出し,治療に当たることが求められる.また,高齢腎不全患者は一般集団と比較して死亡率が高く,健康関連QOLも低いとされている.ADLの低下した高齢腎不全患者における透析導入は生命予後が悪いだけでなく,健康関連QOLの低下をもたらす可能性がある.医療者は高齢者総合機能評価を用いて,高齢腎不全患者のQOLを考慮した治療選択を提示していく必要がある.
Copyright © 2023, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.