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資料
化学療法を受ける高齢がん患者のQOLに関する文献レビュー
Quality of Life in Older Cancer Patients Who Receiving Chemotherapy : a Literature Review
府川 晃子
1
Akiko Fukawa
1
1大阪医科大学看護学部
1Faculty of Nursing, Osaka Medical College.
キーワード:
高齢がん患者
,
化学療法
,
QOL
,
elderly cancer patient
,
chemotherapy
,
Quality of Life
Keyword:
高齢がん患者
,
化学療法
,
QOL
,
elderly cancer patient
,
chemotherapy
,
Quality of Life
pp.76-81
発行日 2017年12月31日
Published Date 2017/12/31
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.はじめに
人口の高齢化により,日本や欧米における高齢がん患者は増加の一途をたどっており,2030年にはすべてのがんの70%が65歳以上の年代に発生することが予想されている1).これまで,高齢がん患者に対する積極的な治療,特に化学療法は,老化による腎・肝機能などの生理機能の低下や,有害事象の生活への影響などを考慮し,積極的には行われないことが多かった.しかし昨今では,治療レジメンや支持療法の進歩によって,高齢がん患者に対しても化学療法による生存期間の維持・延長が期待できるようになりつつある.高齢患者を対象にした治療の実績が不足していることから,治療の有効性に関する情報が欠如し不利益が生じているとされ,高齢という理由だけで治療の対象から除外すべきではないとして,米国のNCCN(National Comprehensive Cancer Network)では,2005年に高齢者がん治療のガイドラインを作成して現在もアップデートを続けており2),高齢がん患者が化学療法を受ける例は今後も増え続けると考えられる.高齢がん患者にとって治療における重要な目標のひとつは,QOLの維持または回復3)であり,化学療法と生活のバランスをとりながら,QOLを保つための看護支援が必要とされる.
本稿では,化学療法を受ける高齢がん患者のQOLを保つ支援を検討するため,化学療法を受ける高齢がん患者のQOLの実態や,QOLに関連する要因について明らかにすることを目的とした文献レビューを行った.
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