特集 腎性貧血治療の課題と対策―HIF-PH阻害薬,ESA,鉄剤をめぐって
1.腎性貧血の発症機序と診断
宮内 健一郎
1,2,3
,
山本 多恵
3
,
鈴木 教郎
1,2
1東北大学大学院医学系研究科酸素医学分野
2東北大学未来科学技術共同研究センター
3仙台市立病院内科
キーワード:
腎性貧血
,
エリスロポエチン
,
PHD-HIF経路
,
ヘプシジン
,
エリスロフェロン
Keyword:
腎性貧血
,
エリスロポエチン
,
PHD-HIF経路
,
ヘプシジン
,
エリスロフェロン
pp.111-118
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002032
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EPO(erythropoietin)は腎間質線維芽細胞「REP(renal EPO producing)細胞」で産生され,骨髄の赤芽球に作用して赤血球造血を誘導する.また,赤血球でのヘモグロビン合成に必要な鉄を動員するために,赤芽球のエリスロフェロン産生を誘導する.一方,REP細胞のEPO産生はPHD2-HIF2α経路によって低酸素誘導性に制御されるが,この経路が腎障害によって破綻すると腎性貧血につながる.そこで,REP細胞のPHD2-HIF2α経路を標的とした腎性貧血治療薬「HIF-PH阻害薬」が開発された.腎性貧血診断では,薬剤,血液疾患,炎症,鉄欠乏,栄養障害,血液希釈など,CKDに合併しやすい要素や病態を一つずつ除外することが重要となる.
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