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第10章 腎臓
[腎性貧血]腎性貧血の新規治療標的
-ヘプシジンとエリスロフェロン
池田 康将
1
,
船本 雅文
1
,
山本 みずほ
1
1徳島大学大学院 医歯薬学研究部(医学域)薬理学分野
キーワード:
腎性貧血
,
鉄
,
ヘプシジン
,
エリスロフェロン
Keyword:
腎性貧血
,
鉄
,
ヘプシジン
,
エリスロフェロン
pp.788-791
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_788
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Summary
・慢性腎臓病(CKD)では腎性貧血が必発である.
・腎性貧血の原因は赤血球造血因子低下と鉄利用障害である.
・鉄の恒常性維持には,鉄代謝調節因子のヘプシジンとエリスロフェロンが重要であり,腎性貧血の治療標的となる.
・CKDでのヘプシジン増加は鉄利用障害につながり貧血を増悪させる.
・エリスロフェロンは赤芽球と骨格筋より分泌される.
・運動により骨格筋由来エリスロフェロンは増加する.
・エリスロフェロンはヘプシジンを抑制する.
・CKDの鉄代謝変容の解明による腎性貧血の革新的治療法開発が期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2024