特集 貧血と諸疾患の機序を探る
がんと貧血
友松 純一
1
1がん研有明病院総合腫瘍科副医長
キーワード:
フェリチン
,
ヘプシジン
,
エリスロポエチン
,
HIF-2α
Keyword:
フェリチン
,
ヘプシジン
,
エリスロポエチン
,
HIF-2α
pp.39-47
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.11_0039-0047
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がん患者のおける貧血はよく起きる症状の1つである。The European Cancer Anemia Survey(ECAS)では,15,367例の化学療法中のがん患者における貧血(chemotherapy-induced anemia:CIA)を調査した。この結果,6ヵ月の経過観察中に約40%の患者がヘモグロビン(hemoglobin:Hb)<10g/dLであることが認められた。放射線療法による貧血でも約20%程度で報告されている1)。がん患者に伴う貧血はquality of life(QOL)の低下2)3)だけでなく,全生存期間にも影響すること4)が報告されている。また,貧血により腫瘍内低酸素分圧の低下が助長されるため,放射線治療効果の低下5)や,治療抵抗性腫瘍細胞の選択により治療効果の低下6)をもたらす可能性がある。「KEY WORDS」フェリチン,ヘプシジン,エリスロポエチン,HIF-2α
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