特集 透析患者の心臓病―診療の最前線を学ぼう
4.冠動脈疾患(2)透析患者の経皮的インターベンション治療
伊苅 裕二
1
1東海大学医学部内科学系循環器内科学
キーワード:
冠動脈疾患
,
冠動脈インターベンション
,
薬剤溶出性ステント
,
心筋梗塞
Keyword:
冠動脈疾患
,
冠動脈インターベンション
,
薬剤溶出性ステント
,
心筋梗塞
pp.49-55
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002009
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透析症例の狭心症の診断は困難である.透析後半の苦しさが狭心症のこともある.薬剤溶出性ステントは非透析例での成績は素晴らしいが,透析例では不良である.その理由は再狭窄が透析例では石灰化結節のため,細胞増殖抑制薬が効かないためと考えられる.透析例に対する薬剤溶出性ステントの成績を示したOUCH研究においても,有効性は示されなかった.したがって,多枝病変に対してはバイパス手術が勧められる.一方,急性心筋梗塞などの急性冠症候群に対しては冠動脈インターベンション(PCI)は救命に有効であり,診断は難しいが,何か透析例がおかしいときには心電図をとり,ST変化が認められれば緊急PCIを依頼していただきたい.
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