虚血性心疾患の最近の話題 虚血を見逃さない臨床から分子生物学まで
冠動脈インターベンションの課題と展望 糖尿病症例、血液透析症例の血行再建治療選択は冠動脈インターベンションか冠動脈バイパス術か
石井 秀樹
1
1名古屋大学 大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
C-Reactive Protein
,
冠動脈疾患
,
危険因子
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
ライフスタイル
,
糖尿病
,
動脈硬化症-アテローム性
,
冠状動脈バイパス術
,
発生率
,
予後
,
心筋虚血
,
後向き研究
,
冠状動脈再狭窄
,
薬剤溶出性ステント
,
経皮的冠状動脈インターベンション
Keyword:
Coronary Artery Bypass
,
C-Reactive Protein
,
Coronary Disease
,
Diabetes Mellitus
,
Renal Dialysis
,
Life Style
,
Kidney Failure, Chronic
,
Risk Factors
,
Prognosis
,
Retrospective Studies
,
Incidence
,
Myocardial Ischemia
,
Coronary Restenosis
,
Atherosclerosis
,
Drug-Eluting Stents
,
Percutaneous Coronary Intervention
pp.444-448
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010305911
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糖尿病は、虚血性心疾患の確立された危険因子である。薬剤溶出性ステントの出現により、PCI後の再狭窄率は低下したものの、予後に関しては非糖尿病患者と比較し不良である。糖尿病患者では、冠動脈病変が左主幹部や多枝病変の場合には、これまでのところPCIと比較しCABGの予後が良好であるとされている。慢性腎臓病、とくに透析患者でもPCI後の予後は不良である。また、薬剤溶出性ステントの再狭窄率はきわめて高い。とくに、全身の動脈硬化が進行している患者にその傾向が認められる。透析患者では、PCIとCABGを比較・検討した大規模試験はないが、後ろ向きの観察研究では、PCIと比較しCABGの予後が良好であるとされる。糖尿病患者、透析患者とも血行再建後は、さらなる生活習慣の介入と、薬物による補充療法がきわめて重要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010