冠動脈疾患をめぐる最近の話題
冠インターベンションの現状と最近の進歩 DES治療のインパクト
木村 剛
1
,
光藤 和明
1京都大学 循環器内科
キーワード:
冠動脈疾患
,
血栓症
,
死亡率
,
心筋梗塞
,
心電図
,
糖尿病
,
発生率
,
臨床試験
,
多施設共同研究
,
冠状動脈再狭窄
,
薬剤溶出性ステント
,
経皮的冠状動脈インターベンション
Keyword:
Coronary Disease
,
Clinical Trials as Topic
,
Diabetes Mellitus
,
Electrocardiography
,
Myocardial Infarction
,
Mortality
,
Thrombosis
,
Incidence
,
Multicenter Studies as Topic
,
Coronary Restenosis
,
Drug-Eluting Stents
,
Percutaneous Coronary Intervention
pp.401-406
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007325565
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j-CYPHER Registry参加施設のCypherステントの使用頻度は、20%以下の施設から80%を超える施設まで広く分布しており、Cypherステントの適応についてコンセンサスが得られていない現状が示されている。今回のj-CYPHER Registry第5回中間解析結果(2年追跡)では、日本の臨床の現場では欧米に比べステント血栓症の頻度は著しく低く(ARC definite/probable 1年0.62%)、1年以降のステント血栓症の増加傾向も明らかではなかった(ARC definite/probable 2年0.73%)。複雑病変が対象とされることの多い日本の実地臨床でも、再狭窄抑制効果は明らかであった。今後、追跡期間を延長し、追跡率を上げてデータの信頼性を高める必要があるが、現時点での日本の実地臨床では、Cypherステントの安全性への懸念を示唆するシグナルはなく、有効性は明らかである。
©Nankodo Co., Ltd., 2007