特集 川崎病―原因究明・診断・管理の進歩
6.冠動脈障害の長期予後と外科・内科治療
津田 悦子
1
1国立循環器病研究センター小児循環器内科
キーワード:
川崎病
,
巨大瘤
,
心筋梗塞
,
冠動脈バイパス術
,
冠動脈インターベンション
Keyword:
川崎病
,
巨大瘤
,
心筋梗塞
,
冠動脈バイパス術
,
冠動脈インターベンション
pp.977-984
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001379
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川崎病による冠動脈障害(CAL)では,急性期の冠動脈瘤が遠隔期に狭窄性病変(閉塞,局所性狭窄)をきたし得る.巨大瘤(8mm以上)のある患者では,心筋梗塞による突然死を含む心事故を発症し得る.冠動脈閉塞,心筋障害を予防するために抗血栓療法を継続し,適切な時期に冠血行再建術が施行され,左心室駆出率(LVEF)が保持できれば,予後の改善が期待できるが,LVEF低下例では予後不良である.中等瘤以上の瘤が退縮した患者では,小児期に問題なく経過しても,成人期に瘤が退縮した部位に冠動脈の石灰化がみられ,心事故を発症する場合がある.
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