透析患者の消化管疾患AtoZ 各論
6.小腸・大腸,肛門 3 炎症性腸疾患
清原 裕貴
1
,
金井 隆典
1
1慶應義塾大学医学部消化器内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
Keyword:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
pp.1025-1028
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001861
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炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)は,消化管に慢性的な炎症をきたし,増悪と寛解を繰り返す自己免疫疾患である.狭義には,潰瘍性大腸炎とクローン病を総称する.本邦においてこの数十年IBD患者は増加の一途をたどっており,厚生労働省の定める指定難病登録に基づく統計によれば,潰瘍性大腸炎は約20万人,クローン病は約7万人にのぼるとされる.IBD罹患者数の増加の背景には,生活の欧米化が関与していることが示唆されており,世界的にもカナダや米国をはじめとした欧米諸国での有病率が高く,近年の報告ではカナダの有病率は725/10万人で人口の1%近くにのぼる.
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