特集 注目すべき高齢者の腹部救急疾患診療
1.内科の視点から(3)高齢者の炎症性腸疾患に対する薬物療法
櫻井 俊之
1
,
猿田 雅之
1
1東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
,
高齢化患者
,
高齢発症患者
Keyword:
炎症性腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
,
高齢化患者
,
高齢発症患者
pp.403-410
発行日 2025年3月20日
Published Date 2025/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003405
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潰瘍性大腸炎とクローン病に代表される炎症性腸疾患(IBD)の患者数は本邦において激増し,高齢患者を診療する機会も増えているが,鑑別する疾患も多く,IBDの確定診断をつけることは必ずしも容易ではない.また,高齢IBD患者には,若年で発症し年数を経た「高齢化IBD患者」と,高齢になり初めてIBDを発症した「高齢発症IBD患者」が存在し,臨床経過は異なることも知られている.治療薬は非高齢患者と高齢患者で変わらないが,高齢者では副作用が生じやすく注意が必要である.本稿では,高齢IBD患者における診断のポイント,治療薬の選択のポイントとその注意点などを,実症例も提示しながら概説する.

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