OPINION
国勢調査と大規模データベース
丸山 之雄
1
1 東京慈恵会医科大学附属病院腎臓・高血圧内科
pp.109-110
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001612
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2020年は,5年に1回の国勢調査の年であった.これは,統計法に基づいて実施する日本国内に居住しているすべての人が対象となる全数調査で,国や地方公共団体における各種行政施策の基礎資料として利用されている.大正9年(1920年)に第1回調査が行われ,今回の調査は21回目で,実施100年の節目を迎えた.国勢調査前までは,明治5年の戸籍調査によってとらえられた本籍人口をもとに,年々の出生・死亡と戸籍変更の届けを用いて,推計人口を算出しており,正確な人口をとらえるという点で大きな問題があったということである.調査開始後は人口動態を正確に把握できるようになり,その結果は,選挙や納税などの各種法令に基づく利用や少子高齢化関連,防災関連,地域活性化関連といった行政上の施策への利用のみならず,人口学,地理学,経済学,社会学といった学術研究へも利用され,これらの分野の飛躍的な進歩に重要な役割を担ってきた.
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