特集 透析患者PADの最前線
5.血行再建術(2)透析患者の救肢をめざすdistal bypass 術
谷村 信宏
1
,
藤原 一郎
1
,
山本 浩詞
2
,
安宅 啓二
2
1社会医療法人愛仁会井上病院外科/血管外科
2住友病院血管内治療センター
キーワード:
包括的高度慢性下肢虚血
,
distal bypass 術
,
ハイブリッド治療
Keyword:
包括的高度慢性下肢虚血
,
distal bypass 術
,
ハイブリッド治療
pp.684-690
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001319
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Distal bypass 術は動脈や下肢の病変のみならず,全身状態や生命予後も考慮して適応を決定するが,腸骨動脈や大腿/膝窩動脈領域に血管内治療(EVT)を行って下腿動脈領域にバイパスを行うハイブリッド治療は,手術時間短縮・侵襲低減や自家静脈節約に有効である.また,distal bypass術は元々手術侵襲がそれほど高くなく,神経ブロック麻酔の発達で,全身麻酔を行わなくても手術可能で,重症例とされる透析例でも歩行機能の維持・回復が見込まれ,良好な静脈があれば,bypass 術で潰瘍完治や良好なQOL が期待できる.術後follow―up においては,早期にグラフト不全を検知して積極的介入を行うことが重要である.
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