総特集 血管外科疾患の治療と手術手技─消化器・一般外科医が知りたい他科の技と工夫
Ⅱ.下肢動脈バイパス術 1)Distal bypassのインパクト
小久保 拓
1
,
大片 慎也
1
,
笹嶋 唯博
1
1江戸川病院血管外科
キーワード:
distal bypass
,
CLTI
,
autogenous vein graft
Keyword:
distal bypass
,
CLTI
,
autogenous vein graft
pp.1877-1884
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003627
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下肢動脈閉塞に対する血行再建術は,主に中等度以上の間欠性跛行や足部潰瘍壊疽に行われる。とくに自家静脈を用いたバイパス術は,1948年にフランスの血管外科医であるKunlinらによって初めて報告されて以来,下肢血行再建術の基本的外科治療法として広く知られている。現在では血行再建術として知られる治療は,カテーテル手技に基づく血管内治療(endovascular treatment;EVT)と外科的血行再建術であるバイパス術がある。さらにバイパス術のなかにもバイパス血管が人工血管であるものと自家静脈を用いた方法がある。ここでは,血行維持と足部虚血改善の点から自家静脈を用いた下肢動脈バイパス術の有用性について解説する。
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