特集 透析患者の人生の最終段階への関わり方
1.透析差し控え・中止
(6)維持透析患者における事前指示書の運用
中野 美子
1
,
伊藤 孝子
1
1誠仁会みはま病院看護部
キーワード:
維持透析患者
,
透析ライフ
,
事前指示書
Keyword:
維持透析患者
,
透析ライフ
,
事前指示書
pp.1215-1220
発行日 2018年9月10日
Published Date 2018/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000666
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維持透析患者は,透析を導入した時点で生きることを選択し,身体的,心理的,さらに社会的にも避けがたい苦痛と向き合い透析治療を受け入れている.そこには,患者を支え続ける家族や親しい仲間,そしてともに歩む医療スタッフが存在し,患者は治療との折り合いを見つけ,透析ライフを確立している.そうしたなかで,終末期を話題にすることは,時に憚られ,難しい.しかし,患者自身がどう生きたいのか,意識が鮮明なときに医療に何を望むのか示すことは,透析ライフのなかでは必要と感じる.事前指示書は,患者の医療に対する意思,希望を示す根拠となる一つの書面である.事前指示書の運用に当たっては,まず医療スタッフが事前指示書の目的を十二分に理解し,患者個々の不安や迷いをくみ取りながら,患者の意思を尊重した支援が重要となる.
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