特集 透析の開始・継続・見合わせ
8.事前指示書をどう進めるか―当院における事前指示書への取り組みを踏まえて
植木 秀一
1
,
丸山 祐子
1
,
舩越 哲
1
1 衆和会長崎腎病院
キーワード:
血液透析
,
事前指示書
,
日本透析医学会からの提言
Keyword:
血液透析
,
事前指示書
,
日本透析医学会からの提言
pp.357-363
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001680
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近年,新規導入患者の高齢化に伴い,透析医療には多様性が要求されており,終末期医療へも対応せねばならない.厚生労働省は2018年に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を公表し,共同意思決定(SDM)やアドバンス・ケア・プランニング(ACP,人生会議)の重要性を指摘した.これに引き続き,2020年に透析医学会から「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」が発表され,患者および家族と医療チームが最善の医療とケアを作り上げる最新の意思決定プロセスが示された.患者が意思決定した医療とケアの方針を尊重するため,透析の開始前には「透析の開始同意書」の取得が必須で,治療開始後も事前指示書(AD)を作成する権利を告知したり共同で意思を決定できる場を設けるなどしていかなければならない.
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