特集 透析患者の人生の最終段階への関わり方
1.透析差し控え・中止
(2)「 維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」―全国アンケート調査結果を踏まえて
岡田 一義
1
1川島病院腎臓内科
キーワード:
共同意思決定
,
血液透析
,
高齢者
,
認知症
,
事前指示書
Keyword:
共同意思決定
,
血液透析
,
高齢者
,
認知症
,
事前指示書
pp.1187-1191
発行日 2018年9月10日
Published Date 2018/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000662
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全国アンケート調査によると約50 %の施設が透析の見合わせを経験しており,見合わせた患者の約90 %が高齢者,約50 %が認知症,約8 %が透析を開始/再開していた.「提言」に準拠しない見合わせの実施があり,透析専門医の試験申請/更新申請において,倫理についての教育講演の聴講を必須条件にする必要がある.見合わせ決定後も定期的に患者の意思を確認する必要がある.提言は終末期を前提としており,終末期ではない患者が透析を拒否した場合には,医療チームは,患者が最善の選択をできるように十分な情報を提供し,よく話し合い,患者が意思決定した過程を共有することが重要である.多くの施設が事前指示書の重要性を認識しており,今後の普及が期待される.
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