投稿論文 短報
腰椎側方侵入椎体固定術(XLIF🄬)後に血管内塞栓術を要した腰動脈損傷の2症例
宇野 梨恵子
1
,
宮田 晴香
,
相原 聡
,
山崎 悦子
,
村尾 浩平
,
新宮 興
1関西医科大学総合医療センター 麻酔科
キーワード:
エチヨード化油
,
血管造影
,
脊椎固定術
,
脊椎すべり症
,
塞栓術
,
大動脈疾患
,
腹部大動脈
,
腰椎
,
出血-術後
,
血管内治療
,
コイル
,
腹部CT
Keyword:
Aorta, Abdominal
,
Aortic Diseases
,
Angiography
,
Embolization, Therapeutic
,
Spondylolisthesis
,
Spinal Fusion
,
Lumbar Vertebrae
,
Ethiodized Oil
,
Postoperative Hemorrhage
,
Endovascular Procedures
pp.1117-1120
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021033178
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症例1は75歳男で、腰椎すべり症に対してL4-5間XLIFと同椎間への椎弓固定術を施行した。手術終了18時間後、仰臥位から左側臥位へ体位変換したときに創部留置ドレーンから350mlの血性排液を認めた。2時間後、左側腹部の膨隆・疼痛が出現し、造影CTで腸腰筋間に巨大血腫を認めたため緊急止血術を施行した。XLIFの専用開創器を切開部に挿入し、直視下に約1時間止血を試みたが、出血点は確認できなかった。著しい出血はなかったため、吸収局所止血薬を充填して閉創した。血管造影を施行したところ、左第5腰動脈からの出血と仮性動脈瘤が認められ、TAEの適応と判断されたため血管内塞栓術を行い、全身状態の改善が得られた。症例2は49歳男で、腰部脊柱管狭窄症に対してL4-5間XLIFと同椎間への経皮的椎弓根スクリュー固定術を施行した。手術が終了し腹臥位から仰臥位へ体位変換した直後、後腹膜腔に留置していたドレーンから500mlの血性排液を認めた。造影CTで腸腰筋と腸骨筋の間に巨大血腫を認め、血管造影で第4腰動脈からの出血を認めたためコイルによるTAEを行い、循環動態の改善が得られた。
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