投稿論文 短報
末梢挿入型中心静脈カテーテルが切断された1症例
高井 遥香
1
,
米倉 寛
,
坂倉 庸介
,
田中 智哉
,
境 倫宏
,
亀井 政孝
1三重大学 臨床麻酔科学
キーワード:
中心静脈カテーテル法
,
奇静脈
,
胸腔鏡法
,
術中合併症
,
食道腫瘍
,
食道切除
,
末梢カテーテル法
,
機器機能不全
,
外科用ステープリング
,
中心静脈カテーテル
,
体内遺残異物
Keyword:
Azygos Vein
,
Esophageal Neoplasms
,
Equipment Failure
,
Esophagectomy
,
Surgical Stapling
,
Intraoperative Complications
,
Thoracoscopy
,
Catheterization, Central Venous
,
Catheterization, Peripheral
,
Central Venous Catheters
pp.1114-1116
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021033177
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64歳男。食道癌に対して胸腔鏡下食道切除術を予定し、手術前日に末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)を左上腕静脈から挿入した。手術は左半腹臥位で開始し、PICCから輸液と中心静脈圧測定を行った。胸腔鏡手術操作中にPICCから輸液ができなくなり、中心静脈圧測定もできなくなった。PICC閉塞の可能性を考え、胸腔鏡手術操作終了後に仰臥位へ体位変換した際にPICCを抜去しようとしたが、抜去できなかった。X線透視を用いて確認したところ、PICCの先端が奇静脈処理時のクリップとステープラーで固定されている可能性が示唆された。そこで、新たに右内頸静脈から中心静脈カテーテルを挿入し、その後再度、胸腔鏡手術操作によって確認したところ、奇静脈切離中枢側断端のステープラーにPICCが噛み込まれていた、中枢側断端の追加剥離により結紮の安全マージンを確保したのちステープラーラインを切離し、PICCを抜去することができた。一般にPICCは他の中心静脈カテーテルに比べて挿入長が長いため、手術中の体位変換に伴うPICC先端位置の変動に注意する必要があると考えられた。
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