投稿論文 短報
冠状頭蓋骨骨折を伴う急性硬膜外血腫の除去術において大量出血を来した1症例
八幡 俊介
1
,
今町 憲貴
,
延原 円
,
橋本 愛
,
齊藤 洋司
1島根大学 医学部麻酔科学教室
キーワード:
Epinephrine
,
Fentanyl
,
Norepinephrine
,
Propofol
,
血漿
,
硬膜外血腫-頭蓋
,
静脈麻酔
,
低血圧
,
頭蓋骨骨折
,
血小板輸血
,
赤血球輸血
,
脳血管外傷
,
Remifentanil
,
上矢状静脈洞
,
新鮮凍結血漿
,
Cryoprecipitate
,
頭部CT
Keyword:
Anesthesia, Intravenous
,
Epinephrine
,
Fentanyl
,
Skull Fractures
,
Platelet Transfusion
,
Erythrocyte Transfusion
,
Norepinephrine
,
Hypotension
,
Propofol
,
Remifentanil
,
Plasma
,
Plasma
,
Hematoma, Epidural, Cranial
,
Superior Sagittal Sinus
,
Cerebrovascular Trauma
pp.1121-1124
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021033179
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65歳男。大きな音を聞いて駆けつけた家族により庭で倒れているのを発見され、直前まで屋根で作業していたことから転落したものと考えられた。ドクターカーが出動し、接触時は心肺停止状態で、蘇生により心拍再開した。当院搬送後の頭部CTで冠状縫合に沿った頭蓋骨骨折を認め、3時間後のCTで新たに硬膜外血腫を認めたため、緊急開頭血腫除去術を行った。頭部の皮膚を翻転し頭蓋骨が露出した際、骨折線の一部から勢いよく出血した。術前の血液検査で止血能低下は認めていなかったが、術中の血液検査では止血能が破綻していた。術中の出血量は3200mlで、輸血は赤血球濃厚液16単位、新鮮凍結血漿10単位、クリオプレシピテート3パック、血小板濃厚液10単位を投与した。手術時間は2時間34分で、手術終了時にはカテコールアミン投与なしで血圧は115/70mmHgと安定しており、気管挿管のままICUへ入室した。
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