経験と考察
低侵襲脊椎椎体間固定システム(XLIF)による腰椎椎体間固定術の実際と導入初期の問題点
山田 宏
1
,
吉田 宗人
,
筒井 俊二
,
岩崎 博
,
岡田 紗枝
,
岩橋 弘樹
1和歌山県立医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
靱帯損傷
,
脊柱
,
脊柱後彎症
,
脊柱側彎症
,
脊椎固定術
,
脊椎すべり症
,
腰椎
,
失血-外科
,
縦靱帯
,
手術時間
Keyword:
Lumbar Vertebrae
,
Kyphosis
,
Radiography
,
Scoliosis
,
Spinal Fusion
,
Spine
,
Spondylolisthesis
,
Blood Loss, Surgical
,
Longitudinal Ligaments
,
Operative Time
pp.505-509
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014325129
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高齢者脊柱変形例12例(男性4例、女性8例、平均73.2歳)を対象に、低侵襲脊椎椎体間固定システムであるExtreme lateral interbody fusion(XLIF)の実際と導入初期の問題点について検討した。その結果、1)XLIF 1椎間あたりの平均手術時間は58.5分、術中出血量10.6mlであった。2)術中合併症としては前縦靱帯損傷を来した症例は2例あり、1例には過度な前方椎間開大とインプラントの固定不良が生じていた。一方、術中神経機能モニタリングに関してXLIF dilatorを用いた開創器の設置部位の探索で危険域の警告信号が多発したためXLIFを断念し、後方経路腰椎椎体間固定術への変更を余儀なくされた症例が1例あった。3)経大腰筋アプローチに伴うleg complicationsは腸腰筋筋力低下が5例、鼡径部痛や大腿前面痛が6例、大腿前面知覚異常が6例と高頻度に認められたが、いずれも術後2~3週以内に治癒していた。尚、術後に新たな麻痺の出現例はなく、全例で下肢症状の改善と神経性間欠跛行の消失が認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014