症例
門脈ステントにて加療し得た空腸静脈瘤出血の1例
中島 好晃
1
,
三浦 剛史
,
田中 史朗
,
岡田 宗正
1山口県立総合医療センター 放射線科
キーワード:
Enbucrilate
,
エチヨード化油
,
空腸疾患
,
血管造影
,
出血
,
腫瘍侵入性
,
静脈瘤
,
ステント
,
塞栓術
,
胆管腫瘍
,
門脈
,
門脈圧亢進症
,
Klatskin腫瘍
,
血管腫瘍
,
致死的転帰
,
血管内治療
,
コイル
,
腹部CT
Keyword:
Angiography
,
Bile Duct Neoplasms
,
Embolization, Therapeutic
,
Enbucrilate
,
Hemorrhage
,
Hypertension, Portal
,
Jejunal Diseases
,
Neoplasm Invasiveness
,
Portal Vein
,
Varicose Veins
,
Stents
,
Klatskin Tumor
,
Fatal Outcome
,
Vascular Neoplasms
,
Endovascular Procedures
,
Ethiodized Oil
pp.599-605
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016265151
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60歳代男。貧血を主訴とした。肝門部胆管癌術後に肝門部に再発を認め、腫瘍の小腸浸潤による出血と判断して化学療法を開始したが、下血、貧血は進行した。血管造影では門脈が高度に狭窄し、空腸静脈から肝門部へ静脈瘤様に発達した血管を介した肝内門脈の血流がみられ、門脈造影下CTでは空腸の強い造影効果を認めた。内視鏡検査で明らかな病変がないことから空腸静脈瘤からの出血を疑い、経皮経肝的アプローチにて門脈ステント留置および空腸静脈塞栓術を行った。本症例ではコイル塞栓とやや高濃度のシアノアクリレート系薬剤-リピオドールを併用したが、治療後の造影CTでは門脈ステント内の血流は良好で、空腸静脈の拡張も軽減し、肝門部の静脈瘤が疑われた部位はおおむね血栓化されていた。術後は貧血、下血が改善し、化学療法を継続できた。
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