発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017028506
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64歳男。早期胃癌に対する幽門側胃切除術、D1+郭清、Roux-en Y再建術後9日目に突然の背部痛が出現した。腹部造影CTで膵頭部に3cm大の強く造影される腫瘤性病変を認め、胃切除術後であることから、右胃大網動脈断端の仮性動脈瘤を疑い緊急血管造影検査を施行した。上腸間膜動脈造影で膵十二指腸アーケードに動脈瘤を認めたため、経カテーテル的動脈塞栓術を行った。胃切除標本の病理組織所見にて分節性動脈中膜融解(SAM)を疑う所見を認め、背部痛の原因はSAMに起因する膵十二指腸動脈瘤であると診断した。塞栓術後の経過は良好で、術後29ヵ月経過した現在、動脈瘤の新たな出現は認めていない。
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