特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[2]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(1)口唇-
赤唇欠損を伴うイヌ咬創の3例
此枝 央人
1
,
副島 一孝
,
大和 義幸
,
竹内 正樹
,
櫻井 裕之
1東京女子医科大学 形成外科
キーワード:
Gentamicins
,
イヌ
,
咬傷と刺傷
,
口唇疾患
,
洗浄療法
,
デブリードマン
,
経皮投与
,
瘢痕
,
皮膚
,
皮膚移植
,
縫合法
,
瘢痕拘縮形成手術
Keyword:
Bites and Stings
,
Gentamicins
,
Suture Techniques
,
Skin
,
Administration, Cutaneous
,
Therapeutic Irrigation
,
Lip Diseases
,
Skin Transplantation
,
Dogs
,
Debridement
,
Cicatrix
pp.296-300
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021174070
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症例1は57歳女性で、飼い犬に咬まれ、左上口唇に白唇、口輪筋及び赤唇の欠損を伴う組織欠損を認めた。創部を洗浄し、口輪筋欠損に対し欠損部内側の口輪筋を外側の残存口輪筋に縫合した。白唇部の1.5cm大の組織欠損に対しては鼠径部からの全層植皮を行った。症例2は57歳男性で、飼い犬に咬まれ、右上口唇に白唇及び赤唇の欠損を伴う組織欠損を認めた。白唇及び赤唇の欠損に対し縫合処置を行ったが、1cm大の赤唇の欠損が残存した。ゲンタマイシン軟膏による処置を行い、受傷後17日に上皮化を認めた。症例3は44歳女性で、飼い犬に咬まれ、下口唇に赤唇欠損を伴う咬創を認めた。赤唇欠損が大きかったため、縫合は行わず、ゲンタマイシン軟膏処置を行った。その後、瘢痕治癒を認め、受傷後1年に瘢痕を切除し、縫合した。赤唇の欠損に対しては両側からのadvancement flapを用いて再建した。3例とも治療後に良好な形態・機能が得られた。
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