特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[2]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(1)口唇-
上口唇の白唇部欠損を伴うイヌ咬創に対して保存的治療と外科的修正手術を行った小児の1例
勝見 茉耶
1
,
松田 健
,
垣淵 正男
1新潟大学 医歯学総合研究科形成外科
キーワード:
イヌ
,
咬傷と刺傷
,
口唇疾患
,
再手術
,
洗浄療法
,
デブリードマン
,
皮膚移植
,
瘢痕-肥厚性
,
Cefdinir
,
保存的療法
,
瘢痕拘縮形成手術
Keyword:
Bites and Stings
,
Reoperation
,
Cicatrix, Hypertrophic
,
Therapeutic Irrigation
,
Lip Diseases
,
Skin Transplantation
,
Conservative Treatment
,
Cefdinir
,
Dogs
,
Debridement
pp.265-268
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021174064
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8歳男児。顔面挫創を主訴とした。3時間前に飼い犬に咬まれ、右上口唇から頬部にかけての弁状創を認めた。創部の洗浄とデブリードマンを行い、皮弁を縫合したところ、白唇部の25×20mmの欠損が明らとなった。一旦、保存的に創の収縮と上皮化を図る方針とし、縫合後3日間はセフジニルを投与した。受傷後1ヵ月に創が収縮し、完全に上皮化した。その後、同部が一部肥厚性瘢痕となったため、受傷後1年2ヵ月に瘢痕切除・形成術を施行した。形成術後は数年にわたり大きな問題なく経過したが、徐々に右白唇部の拘縮を伴う赤唇の引き吊れが出現し、受傷後6年に白唇部に右耳後からの全層植皮術を行った。植皮弁の大きさは20×15mmとした。植皮弁は完全に生着し、術後に植皮部の色素沈着を認めたが、白唇部の拘縮は解除され、赤唇の良好な形態が得られた。
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