特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[1]-統計・総論、その他-
その他 口唇の重度損傷を伴うクマ外傷の1例 イヌ・ネコ咬傷との違いについて
中嶋 優太
1
,
杠 俊介
1信州大学 医学部医学科形成再建外科学教室
キーワード:
ドレナージ
,
顔面外傷
,
クマ科
,
咬傷と刺傷
,
口唇疾患
,
洗浄療法
,
デブリードマン
,
皮膚
,
縫合法
,
口唇形成術
Keyword:
Ursidae
,
Bites and Stings
,
Facial Injuries
,
Suture Techniques
,
Skin
,
Therapeutic Irrigation
,
Lip Diseases
,
Drainage
,
Debridement
pp.170-175
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021157799
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症例は78歳女性で、クマに襲われ上口唇は鼻腔底とともに切られ、上顎骨も損傷を受け、下唇にも切創があり、右下顎角部の骨折を伴っていた。受傷当日に全身麻酔で洗浄と縫合処置を行った。受傷後2ヵ月で瘢痕拘縮が強く出ていた。受傷後6ヵ月で多くの瘢痕は目立たなくなったが、下口唇の自由縁には陥凹変形が残りよだれが垂れるため修正手術を行った。右下口唇の瘢痕切除と口輪筋の引き締めを行い、赤唇と白唇の境界・赤唇皮膚と赤唇粘膜の境界に二つの小さな変形Z形成を行い、直線瘢痕を回避して閉創した。修正手術後6ヵ月で赤唇の陥凹は修正され、よだれも消失した。
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