特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[2]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(1)口唇-
下口唇の赤唇に生じたイヌ咬創の3例
鳥山 和宏
1
,
佐藤 秀吉
,
恒川 幸代
,
小山 千里
1名古屋市立大学 形成外科
キーワード:
Gentamicins
,
Petrolatum
,
Povidone-Iodine
,
イヌ
,
咬傷と刺傷
,
口唇疾患
,
洗浄療法
,
デブリードマン
,
経口投与
,
経皮投与
,
破傷風トキソイド
,
Amoxycillin-Clavulanic Acid
,
Tranilast
,
含嗽
Keyword:
Bites and Stings
,
Gentamicins
,
Tetanus Toxoid
,
Administration, Cutaneous
,
Administration, Oral
,
Therapeutic Irrigation
,
Lip Diseases
,
Povidone-Iodine
,
Petrolatum
,
Dogs
,
Debridement
,
Amoxicillin-Potassium Clavulanate Combination
,
Tranilast
pp.290-295
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021174069
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症例1は9歳女児で、飼い犬に右下口唇から右頬部を咬まれた。創部の洗浄、破傷風トキソイドワクチンの接種、AMPC/CVA内服及びゲンタマイシン軟膏の塗布を行った。受傷後3日に下口唇の赤唇から白唇にかけて1cm大の欠損を認め、頬部挫創は真皮に達していた。ゲンタマイシン軟膏塗布とAMPC/CVA内服を5日間行った。症例2は23歳男性で、飼い犬に下口唇を咬まれ、一部を食いちぎられた。食いちぎられた組織を元の位置に縫合したが、6日後に壊死した。残存した赤唇を横切開し、剥離した皮膚粘膜移行部を赤唇の伸展皮弁として縫合した。症例3は53歳男性で、飼い犬に下口唇を咬まれ、一部を食いちぎられた。食いちぎられた組織を元の位置に縫合することは感染症の危険があると判断し、欠損創が楔状になるようにデブリードマンを行い、口輪筋と粘膜を縫合した。3例とも治療後に良好な形態・機能が得られた。
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