特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[2]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(1)口唇-
上下口唇の欠損を伴うイヌ咬創に対して局所皮弁とcomposite graftによる再建を行った1例
加藤 達也
1
,
笠井 昭吾
,
貴志 和生
1慶應義塾大学 医学部形成外科学教室
キーワード:
組織移植
,
イヌ
,
外科的皮膚弁
,
咬傷と刺傷
,
口唇疾患
,
人工皮膚
,
洗浄療法
,
デブリードマン
,
縫合法
,
アルゴリズム
,
口唇形成術
Keyword:
Algorithms
,
Bites and Stings
,
Suture Techniques
,
Surgical Flaps
,
Skin, Artificial
,
Therapeutic Irrigation
,
Lip Diseases
,
Tissue Transplantation
,
Dogs
,
Debridement
pp.285-289
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021174068
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68歳男性。飼い犬に顔を咬まれ受診した。上口唇と下口唇に組織欠損を認め、下口唇の脱落組織を持参していた。受傷当日、上口唇に対し口腔側粘膜と口輪筋を縫合し、皮膚欠損部に人工真皮を貼付した。下口唇に対しては持参した下口唇組織を洗浄・デブリードマンし、そのまま元の位置に複合組織移植(composite graft)として移植した。術後、上口唇に良好な肉芽組織の形成を認め、下口唇に移植した組織の生着を認めたため、受傷後9日に上口唇のみ再建術を行った。手術は白唇は鼻唇溝からV-Y前進皮弁を用いて再建し、赤唇部は両側からの赤唇伸展皮弁を用いて再建した。術後6ヵ月の現在、左側の赤唇縁とキューピット弓の乱れはあるが、形態は良好に保たれている。下口唇についてもボリューム不足などの問題を認めていない。
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