特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[2]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(1)口唇-
上口唇の欠損を伴うイヌ咬創の3例
辻子 祥子
1
,
恋水 諄源
,
矢持 良
,
沼尻 敏明
1済生会滋賀県病院 形成外科
キーワード:
Amoxicillin
,
イヌ
,
外科的皮膚弁
,
咬傷と刺傷
,
口唇疾患
,
洗浄療法
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
皮膚
,
縫合法
,
Amoxycillin-Clavulanic Acid
,
Cefcapene
,
口唇形成術
Keyword:
Amoxicillin
,
Bites and Stings
,
Suture Techniques
,
Skin
,
Surgical Flaps
,
Administration, Oral
,
Therapeutic Irrigation
,
Lip Diseases
,
Dogs
,
Drug Therapy, Combination
,
Amoxicillin-Potassium Clavulanate Combination
,
S 1006
pp.279-284
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021174067
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症例1は36歳男性で、上口唇の開放創を主訴とした。飼い犬に咬まれ、左上口唇外側に開放創を認めた。洗浄後、単純縫合による一時閉鎖を行った。抗生剤を3日間投与し、外来で治療を継続した。治療後、左口角の偏位を認めたが、機能面に問題はなかった。症例2は43歳男性で、上口唇の開放創を主訴とした。飼い犬に咬まれ、右上口唇に幅1cmの口唇全層の組織欠損を伴う開放創を認めた。洗浄後、単純縫合による一時閉鎖を行った。抗生剤を3日間投与し、外来で治療を継続した。治療後、人中の偏位を認めたが、機能面に問題はなかった。症例3は50歳女性で、上口唇の開放創を主訴とした。飼い犬に咬まれ、右上口唇の赤唇から白唇にわたる径1cm程度の皮膚面側の組織欠損を認めた。白唇部及び赤唇粘膜部双方からのV-Y前進皮弁による創閉鎖術を施行した。治療後、赤唇線の乱れを若干認めたが、機能面に問題はなかった。
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