特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[3]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(2)口唇以外-
顔面正中部に組織欠損を生じたイヌ咬創に対し正中前額皮弁を用いて再建を行った2例
浅井 晶子
1
,
山本 健登
,
梅本 泰孝
,
田中 真美
,
安村 恒央
,
横尾 和久
,
古川 洋志
1愛知医科大学病院 形成外科
キーワード:
イヌ
,
顔面外傷
,
外科的皮膚弁
,
咬傷と刺傷
,
人工皮膚
,
デブリードマン
,
鼻
,
鼻形成術
,
額
,
皮膚移植
Keyword:
Bites and Stings
,
Facial Injuries
,
Forehead
,
Surgical Flaps
,
Skin, Artificial
,
Skin Transplantation
,
Nose
,
Rhinoplasty
,
Dogs
,
Debridement
pp.415-420
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021212509
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症例1は72歳女性で、鼻部イヌ咬創を主訴とした。飼い犬に鼻を咬まれ、前医で洗浄処置を受けた3日後に当科を受診した。鼻背から鼻尖にかけての組織欠損と軟骨露出を認め、デブリードマンと人工真皮の貼付を行った。2週後に滑車上動脈を茎とするparamedian forehead flapを用いて外鼻再建を行い、3週後に皮弁の切り離しを行った。術後経過は良好である。症例2は3ヵ月女児で、鼻根部イヌ咬創を主訴とした。飼い犬に鼻を咬まれ、前医で洗浄処置後に当科紹介受診となった。創部の洗浄と人工真皮の貼付を行い、2週後に鼠径部からの全層植皮術を行った。6歳時に植皮部のカラーマッチの改善を目的に全層植皮部を切除し、paramedian forehead flapを用いて欠損部を再建した。術後、良好なカラーマッチが得られた。
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