投稿論文 症例
石灰化を伴った乳房巨大脂肪腫の1例
加古 絢子
1
,
田中 義人
,
櫻井 裕章
,
堀内 あい
,
伊藤 文人
,
楠本 健司
,
稲葉 真由美
1彦根市立病院 形成外科
キーワード:
ドレナージ
,
脂肪腫
,
石灰沈着症
,
乳房腫瘍
,
乳房切除術
,
拡散MRI
Keyword:
Lipoma
,
Mastectomy
,
Drainage
,
Breast Neoplasms
,
Calcinosis
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.1322-1328
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021047109
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症例は71歳女性で、10年前より右乳房の腫瘤が徐々に増大していることを自覚していたが、うつ病があり、腫瘤の増大が気にならなかったため長年放置していた。腫瘤の増大によって下着の着用が困難であったため他院の乳腺外科を受診し、MRIのT1・T2強調画像で右乳房の皮下組織内に脂肪と等信号を示す巨大な腫瘍を認めたため、摘出目的で当科を受診した。脂肪腫に準じて摘出術を行い、永久標本で悪性所見を認めた場合は乳房全切除術を施行するという計画を立てた。腫瘍は皮下脂肪層に限局しており被膜に包まれ、皮下組織・乳腺組織との境界は明瞭であり、剥離は比較的容易であった。病理組織学的所見では脂肪芽細胞や間質細胞の異型は認めず、乳腺組織が混在しないことから脂肪腫と診断した。術後6ヵ月に撮像したMRIでは腫瘍の再発を認めなかった。
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